とある靴屋での親子(40代前半?の母と小3くらいの女の子)の会話。
(母)…どの靴にする?
(子)…ん〜、○○ちゃんと色違いの同じ靴にする〜
(母)…本当にいいの?
(子)…イイ!
(母)…ちょっと!そんな事でいいの!?もっと個性を大事にしなさい!
(子)…だってこれがいいんだもん!
(母)…人と同じなんてダメ!こっちにしなさい!
(子)…え〜〜〜〜〜ヤダ〜〜〜
(母)…個性が大事!個性を大事にしなさ…………
これ何? 個性ってなに??
結局親の押しつけでしかないこのやりとり。
自分の子は他の子と違う(いい意味で)センスを持ってるぜ〜スゲ〜だろ〜的なのは
子を持つ親としてはとても良く分かりますが、どうなのかな〜?と。
で、個性について考えさせられたわけです。
平凡な小学校の集団生活や先生のせいで子供たちの個性が潰されてしまう〜
なんて賢くて偉い方々が言ったりしてるのをよくネットで見かけるし
まぁそういう事もあるかもな〜なんて思ったりもするんですが
そういった制限の中でも、どうしても消えないものが本当の個性なんじゃないの?
とも思うこともあるんです。
デザインの仕事でいうと
個性的っぽい、奇抜で面白いことをやりたがる人って長続きしない人が多い気がするし(おそらく見た目だけ面白いことを狙って中身がないから)、そんな私も、この人全然わかってねぇな〜とか思ったこともあるし、今も思ったりしますけど(笑)
結局、広告に限らず色んな人が関わると色んな制限がでてくるし、お金の面とかエロだめとか
人それぞれの好みもあるし、担当レベルではめっちゃイイネ!なんて言ってたのが
上司に持っていったらダメだったんで別の案で作り直してください…みたいなのがあったり。
まぁ制限やら変な修正が多いんですよね。とにかくエンドユーザーのことが考えられてない。
お金をもらう以上、クライアントの要望には答えたいし、でもエンドユーザーにも喜んでもらいたいし…ウマイ具合に橋渡しするのがデザイナーの役目かな〜とは思ってますけどね。
そんな中で、自分のやりたいデザイン・個性を殺したデザインになってしまったと思っても
他の人が見ると「なんか後藤さんぽいデザインだよね〜」とか言われたりするんです。
どこかに自分らしさ(個性)が出てるんだと思うんですよね。
だから奇抜なものだけが個性じゃない、普通に見えてもどこかに個性的な部分がでてる
そうさ僕らは世界にひとつだけのは……
…とまぁ、靴屋の親子の会話からそんな事を考えさせられたわけですけども
結局、個性的なのが良いのか悪いのか、そもそも良いも悪いもないのかわかりませんが
仕事に関しては、自分が何をやりたいかよりも
何をすれば効果が出るのかを考えて作った方がいいよね〜
真剣に考えるほど、きっとそこにその人や商品らしさが出るよね〜と思います。
そして、靴屋の母親は子供の好きな靴を買ってあげてくださいと。
そんなヒトリゴト。